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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第3章 【桜色】恋愛性免疫不全


~Sideハイリ~


朝の質問攻めは予鈴に助けられた。

去り際の「続きは後で!」が頭から離れない。
これは続くパターンだ。


(どうなの?ってきかれても
私が一番知りたいくらいなのに。)


ふぅとため息をついて机に顔を伏せる。
皆より低い視界からぼんやりと教壇を見つめながら考えるのは、やっぱり彼の事だ。

流石に嫌われては無いと思う。
自惚れそうになることだってある。
だけどその度に自分を律する。


(だってあまりにも平然と触って来るんだもん。
初対面だってのにだよ?)


あそこまで自然に扱われると
逆に対象外なんじゃ? なんて思ってしまう。
ペット枠とか、妹枠とか……


(あーなんかありそう。
あの人世話焼きだしなぁ…。)


考える程泥沼にはまっていくみたいだ。
自分がこんなにマイナス思考だとは思わなかった。

恋は楽しいものだと誰かが言ってた気がするけれど、ちょっと違う…。

気付いて半日と経ってないのに


(こんなんじゃ先が思いやられ―――…ん?)


ふと差した影に顔を上げると
ニタリと笑う金髪ちょび髭のおじさんが私を見下ろしていた。
目はサングラスでよく見えないけど、
たぶん笑ってない。



「HEY女子リスナー‼
俺の授業は退屈かァ!? 余裕みたいだなァ‼?」


そうだ、マイクの授業中だった。
と言うか、結構ワクワクしてたのに
あまりにも普通のだったから気が抜けてしまっていた。


「ごめ……すみません、マイク…先生。」

「わかりゃぁいいんだ!
んでもって悩みがあるなら聞くぜぇ~」


流石昔馴染み、見抜かれてるわぁ。
頭をくしゃと撫でるのもいつもの事だ。


(ひゃー…恥ずかしい…。)


カァっと熱を持った顔を隠すべく鼻の高さまで上げたテキストは逆さまで、如何に私が授業に身が入ってなかったを表していた。




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