第18章 ♦番外編♦ 紅白中毒症
~Side轟~
触れ合う肌の体温が増す度に
響く水音が大きくなっていく
ハイリの動きが増す度に
甘い香りに酔わされる。
これ程までに官能的なハイリは初めてだ
これ程までに余裕がねぇ自分も初めてだ
対して動いてもねぇのに息は上がる
口だけじゃ足んねぇ
体内にエンジンでもあるんじゃねぇか
だとしたら常にトップギアだ。
いつもなら言える意地悪も
全く思いつかねぇ
「ハイリ…っ」
名前を呼ぶのが精々だ。
「ぅ…ん…っ?」
「わり…限界だ…っ。」
このままイクのはどっか癪
それにこの体制じゃハイリは天井向いてばかりで
顔が見えねぇ。
そんな思いから
勢いつけて押し倒した。
「ひゃっ…っ」
ぼすっと音をたててハイリの身体がマットレスに沈む。
握りしめられた手をほどき
指を絡めてベッドへと縫い留める
「やっぱこっちの方がいい…。」
「ん、一緒、だね…。」
見開かれた目はすぐに弧を描き
絡めあった指には力が込められた。
口を貪って腰を打ち付けて
果てまではさして遠くねぇ
「ハイリ…っ」
名を呼ぶたびに引きちぎられそうな程に締め付けられて、
優しくしてやるなんて
そんな余裕もねぇ…。
だが、ハイリは違った様だ
「しょうと…」
「ん…」
「おたんじょうび…おめでとっ…っ」
果てる直前
こんな事言うなんて反則だろ…。
(そうだった、誕生日だったか)
そっから始まったんだった。
そんなことすら忘れていた
それぐらい、夢中になってた。
「ああ、ありがとな。」
もう一度名前を囁いて、視線を絡ませたら最後
心どころじゃねぇ意識をも絡め取られて
愛欲の果てへと堕ちていった――。