第18章 ♦番外編♦ 紅白中毒症
~Sideハイリ~
身体を真っ二つに割られる様な快感に
ふと言葉が頭をよぎった。
確かひざしくんと消太くん……
マイク先生と相澤先生とご飯を食べてた時の言葉だ
『いいかハイリ、良ーっく聞け。
男が女に手ぇ出しちまう心理ってのはなァ……
女がケーキを目の前にしたら食っちまう
それと一緒よォ…。ヒャーッハァァァ‼‼‼』
あの時は、
(ケーキと女の子じゃ全然違うと思う…)
なんて心の中で思いながら
隣の同僚に殴られているお兄さんを苦笑いで見てたんだっけ。
でも今、ちょっとわかる気がする。
私も目の前にクリームがあったから
思わず舐めてしまった。
だからこれも、おんなじ事なのかなって
焦凍になら味見でも
食べ尽くされても良いなって思うから……
「ふ……ぁっ」
自分の声じゃないみたい
意思なく上がる声は
自分の中を埋めていく焦凍によって押し出された音。
いつもより深くて
深すぎて
仰け反った首に甘い痛みが走った。
チュルと音をたてて唇が滑り落ちていく
私を覆っていたクリームはもう殆ど無くなっているのに
貪る口が離れることは無い。
歯型を、痕を、付けられるたびに腰が跳ねて
その都度、内側からの快楽が私を襲う。
抗いようがない
自分で自分に与えている様なものだ。
「やぁ…っ」
声が漏れる度に焦凍が笑う
わざと吐息を吹きかけて震えを誘う
掴まれたままの腰は誘導するように揺らされ
次第に自分から動いてしまう。
眉間にしわを寄せて揺らぐ二色の双眼
荒い息は上がっていく一方
今日はいつもより
余裕が無いのがすごく伝わって来る
そんな表情でも
すごく綺麗だと思う。
こんな彼も愛おしいと思う。
眼下で揺れる紅白の髪に指を通して
自分の胸に埋もれるその頭を抱き締めた。