第18章 ♦番外編♦ 紅白中毒症
~Sideハイリ~
「……んっ…」
あ、つい――…
「ぁ……はっ……」
溶けてくみたい――…
「やぁ…っ…」
熱に溶かされて、このまま――――……
まだ、夢の中なのだろうか
寝起きにしては息も熱も上がりすぎだ
喉も渇いてるみたい
寝起きが悪い、にしても頭がぼぉっとしすぎてる……。
「…ん……っ」
爪先をぬるりと何かが這い
快感の電流が走ったかのように腰が跳ねる。
頭より先に身体が理解した。
目に留めるより早く口が名を呼んだ。
「しょぉ…とっ……?」
僅かに視線を落とすだけでいい
それだけで彼は視界に入るのに
何が起こっているのか理解が追い付かない。
足を持ち上げられてつま先から脹脛へと舌が這う
初めてじゃない、じゃないけど
いつもと違う感覚とむせ返るような甘い香り
(バ、ニラ……?)
ふわふわと
夢幻のような香りに包まれて
ただでさえ霧がかかった頭が中々晴れない。
(たしか……)
今日は焦凍の誕生日で
早起きしてケーキ作って
学校から帰ってデコレーションの用意して
少しだけ寝ることにして
それから―――……
もう少しで答えに行きつきそうだ
そんな感覚は確かにあったのに
それを遮る様な声に
意識は全て奪われた。
「もう起きたのか?」