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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第3章 【桜色】恋愛性免疫不全


~Side轟~


出会いからして変わってるやつだとは思っていたが
朝からハイリがおかしい。


「なぁ、俺なんかしたか?」

「んーん、何も。」


返事も笑顔も確かに普通だ。
だが気に入らないのはこの不自然なまでの距離。

左後方を振り返ればビクッと肩を揺らして
足を止めるハイリと目が合った。


「せめて前を歩いてくんねぇか?」

「いや、轟くんコンパス長いしすぐ追いつかれちゃいそうでさ。」


距離で言えば5mはあるだろう。
何度尋ねても未だ納得のいく返事は貰えない。

態度は明らか、隠す気配もねぇ
いくら思い起こせど原因が見当たらねぇ。


(風呂…まではわりと普通だったよな。)


入れ替わりでそそくさと入った時は気付かなかったが
出てからは明らかに距離を取られている。

出来れば無理強いなんかしたくない。
そう思っていてもこれじゃ埒が明かねぇ。

結局は
逃げられない様に捕まえて尋ねるしかねぇんだ。

一歩踏み出せば身を縮めて警戒される。
なのに逃げる気配は見当たらねぇ。
腕を掴めば泣きそうな顔で見上げてきた。


(嫌なら逃げればいい、逃げないお前が悪い。)


どうやら自分で思っていた以上に俺は気が短いらしい。


「ハイリは一緒に居るのが嫌なのか?」

「そゆんじゃなくて、あの、近い…。」

「近いとダメなのか?」




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