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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第16章 【琥珀色】CT knock




また始まった……。


あの日を境に
クラス内には暗黙のルールが課せられた。

このクラスの2トップ
轟と爆豪が相対したら速やかに退避せよ。

何故なら関われば関わるだけ事が大きくなり
被害も甚大になるからだ。
轟の問題行動を目の当たりにしたあの日から今日まで
その身をもって理解したクラスメイトは一様にため息をついた。
そして渦中のハイリに向かって願いを込めた視線を投げる。

さっさと終わらせてくれと…

ハイリを挟んで火花を散らし合う両雄、二頭の獅子
女の子なら一度は置かれてみたい立場ではないだろうか。

「私の為に争わないで」と困った顔をしていても内心喜んでいる。そんな頂に立ってみたい。

そもそもハイリがそんな女なら
元々こんな状況にもならなかった訳なのだが…。

皆が同じタイミングでそれを考え
集団訓練でも受けた様に同じタイミングでハイリを見る。

あの、心底不満気な膨れっ面を。


(そろそろね。)


蛙吹は思った。


(お願いします。)


緑谷は願った。


(耳塞いでおくか。)


耳郎は備えた。


まるでそれが合図であるかのように
皆が耳を塞ぐ。

横目でハイリを見れば、
その小さな顔を伏せ
戦慄く拳を振り上げるところだった。

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