第16章 【琥珀色】CT knock
~Sideハイリ~
――――………
それからと言うものの
私達三人の関係は
ちょっと所じゃなく、形容し難いものになった。
「自業自得だ。
反省の意も込めて、これクラスに運んでおけ。」
「うわぁ…消太くんひどい。」
「都合の良い時だけ妹面するな。」
「はぁい…。」
一応担任に現状報告
自由な校風はどこまでも自由なのか。
クラス内であんな不純な事があったと言うのに
特にお咎めも無く
ただ現状を逐一報告しろとのお達しだ。
(雄英、大丈夫なのかな?)
山のように積み上げられたプリントを抱えながら
A組へと向かう。
これでも一応最低限の基礎体力は備えているつもりだ
これくらいの量、どうって事無いんだけど…
「貸せ。」
「大丈夫…。」
「良いから貸せっつってんだろうがッ!」
爆豪くんが
あれから優しいんです。
恐らく、噛んでしまった事をすごく気に病んでいるのだと思う。
確かにかなり怖かった
捕食対象になってしまったと泣きそうになった。
でも、そんなことは無いみたいだし
もう気にしてないんだ。
だから再三、伝えてはいる
「ねぇ、本当に怒ってないからさ。
気ぃ使うのやめようよ!」
「気ぃ使ってるわけじゃねぇ。」
もううんざりだ
そんな顔をそむけているけど
ちゃっかりプリントは取り上げられてしまった。
愛想は悪い
口も悪い
でも何だかんだと世話焼きだ
こんなの
(ただのツンデレじゃないか!!)
気の毒なくらい不器用な人だ。
きっと素直に謝ることが出来ないんだろうな。
多分それで機会を伺うために
最近はこんな感じで気付くと側に居る…んだと思う。
でも結局何も言わないんだよね
だからかな、一緒に居る時間は結構増えて…
私の近況にどんどん詳しくなっていく。
「………また睨んでんなアイツら。」
「睨んでるんじゃなくて見てるだけだよ。
焦凍のファンだね。私も知ってる子だよ?」
知ってると言うか
呼び出された事がある。
事実は言うべきじゃないと胸の奥底にしまい込んだ。