第15章 【琥珀色】MRI knock
~Side爆豪~
俺の鼻先に突き付けていた人差し指を引き
パンと手を叩く
我ながらいい考えだ…そんな声が聞こえてきそうだった。
「フェアに行くんでしょ?
なら、真正面から奪いにくればいい。」
但し武力行使は禁止だと、付け加えながら悠々と語るハイリ。
言葉通り真向からぶつけられた態度、表情に煽られた感情はどうも一つや二つじゃねぇ。
(要は「私を落とせるモンなら落としてみろ」っつーことだろ
………舐めくさってやがる。)
挑発か?
余裕か?
ちげぇな、挑ませて認めさせる気か?
「自分は移り気なんか絶対しない」ってか?
「面白れぇ……。」
望み通り、真向から奪いに行ってやる。
沸々と滾ってくんのは闘争心だ
今一番デカい感情。
高揚する、
どう考えたって倫理的じゃねぇが、なんたって本人の許可が出てんだ。
ハイリ自身が言い出したことだ。
「上等だ、奪ってやらァ…」
受け取った宣戦布告
ニタリと笑えばいくらか気圧されてくれたようだが
引ける気配は一切ねぇ。
あたりめーだ
それくらいの女じゃなきゃ、俺が惚れる筈もねェ。
時間は無制限
ハイリの心をこっちに向かせりゃ俺の勝ち。
それまではずっと俺の負け。
わりィが勝負事にゃウルセーんだ。
勝ちしか興味ねぇ。
それしか選択肢がねぇ。
徹底的に惚れさせて轟から奪い取ってやる。
HRまであと10分
ハイリと相対する俺を同情の眼差しが包んでいた事に
俺は微塵も気付かなかった。