第15章 【琥珀色】MRI knock
~Side爆豪~
真 向 勝 負
その漢字四文字がバラバラに頭を巡る
向 勝 真 負
向 勝 真 負
勝 真 負 向
勝 真 負 向
真 負 向 勝
勝 真 負 向
向 勝 真 負
負 向 勝 真
勝 真 負 向
理解はした
意図も読んだ
それでも意味がわかんねぇ…。
コイツは、バカみたいなことを言うやつだが
バカじゃねぇ。
そう思ってた俺は間違ってたみてぇだ。
(コイツは本物のバカだ。)
この状況で真向勝負と言やぁ…
いくら考えてみようが、行きつく答えは一つだ。
「正気かテメェ…」
自分が思い違いをしてんじゃねぇかと
何度も頭の中で今までの会話をなぞる。
何度も何度もなぞってると昇りかけた血も下がって来る。
一言確認すりゃハイリは晴れ晴れとした笑顔で
言葉を返してきやがった。
「爆豪くんの気持ちはわかってる。
だけど私だって譲れないんだよ。」
はっきり言いやがる。
わかってんなら、もう少しぼかして言えやクソが。
コイツはあれか?
俺の精神が鋼で出来てるとでも思ってんのか?
頭から降りて来た血よりも、数倍速く沸点が落ちていく。
そこにとどめを刺した一言に
ブツリ、頭ン中で何かが切れた。