• テキストサイズ

【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第15章 【琥珀色】MRI knock


~Sideハイリ~


私は普通科にも通っているから尚更思う。
ホントこのクラスは賑やかだ。

教室の中に居るのはまだ10人程
それでも十二分にC組より騒々しい。

特に今日は一段と…


(そう…感じたんだけどな?)


気のせいだったんだろうか?

一歩踏み入れた途端に静まり返ってしまった教室内。

三奈ちゃんとぶつかりながら一歩廊下へ戻り見上げれば、間違いなくそこには1-Aと書かれている。

当たり前だ、間違いなくこのメンバーは1-Aの生徒
…だけど確認せずにはいられない。
なんせこんなに静かな朝は初めてだったから……。



「ハイリちゃんさ…」



最初に声を掛けてくれたのは上鳴くんだ。

そこに見慣れた陽気な顔は無く、いつもの「おはよう」も無い。
何かあったんだろう…
クラス内の空気から察した私は
何を言われるかも構えずに、何事かと首を傾げた。

しかしよく見ると、その虚ろな目は私を見ていなかった。
3~4日は寝ていないんじゃないかと疑いたくなる程の青白い肌、唇まで血色が悪い。

よろり、のそりとこちらへ近づく姿は
まるでゾンビの様だ。

何かあったどころじゃない
話を聞くより先に診せて貰おうとメガネを取った瞬間だった。
その一言に眼鏡のつるを持ったままの手が止まる。


「轟と付き合ってるってマジ?」


いきなりやってきた確信を突いた問い。
言葉を返すより早く、指先から硬直していくのがわかる。
眼鏡のつるなんて細い物
もち続けることが可能なわけがない。


――カツンッ


シン…と静まり返った教室に軽く固い音が一度跳ね上がる。
どんな言葉を返そうときっともう手遅れだと言う事にすら、私の理解は追い付かなかった。


/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp