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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第15章 【琥珀色】MRI knock


~Sideハイリ~


ギギ、と音が聞こえてきそうだ。
長い事触れられていない扉を開けるような音。

ぎこちなく回された二人の首がこちらを向くと


「ええ!?」

「なんで爆豪!?」


二つの驚嘆が同時に上がった。

スカートは跳ね、口は空けたまま
三奈ちゃんの黒目も耳郎さんの三白眼も真ん丸だ。


だけど私は自分で思っている以上に追い詰められているようだ。そんな二人の様子も気に留めず、一歩詰め寄ってもう一度口を開く。


「ね、居るのかな?」


今度は私がずいっと迫る。
まさに立場逆転だ。

戸惑って見えるのは、きっと気のせいじゃない。
困らせているんだろう。


(確かに、こんな形で知るのって卑怯かもしれない。)


第一そんな情報勝手に流されて
喜ぶ人なんて居るはずもないし…。
爆豪くんなら普通の人以上に嫌がるだろう…。

やっぱりやめよう、そう思って手を離しかけた時だった。

握っていた手にギュッと力が込められて――


「そ、そうだったんだ!!
私勘違いしてた!
うん、居る!
爆豪もハイリと同じ気持ちだよー!」

「やっぱりそうなの!?」

「うん! 絶対!!」


――かくして
私の仮説は定説となった。


「私、ハイリを応援するからね!」

「ありがとう…三奈ちゃんっ。」


登校時間帯の廊下は生徒も多いと言うのに
ヒシと抱き合う私たち。
そして、それに呆然とする耳郎さん。


「え、待って?
たぶん色々おかしいから……。」


呟かれた言葉はたぶんとっても重要な事だったんだろうけど
その言葉はあまりにも小さくて
私達の耳に届くことは無かった。


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