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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第15章 【琥珀色】MRI knock


~Sideハイリ~


いつの間にかずいっと近づいていた三奈ちゃんの大きな黒目が、いつになく輝いて見える。

それはもう、宝石箱を開ける前の少女のようにキラキラと…うん、これは乙女の目だ。





焦凍はともかく、私は一切態度に出して無かったつもりだけど、この目に見抜かれてしまったのか


(乙女の目、侮っちゃだめだ。)


緊張に思わず喉が鳴る。

幸い、まだ付き合ってる事には触れられてないし
これ以上はボロを出さないように気をつけないと……。

思いはそのまま足に出た。
地を擦りながら片足を引き距離を取ろうとすると、その距離を詰められる。

どんな恋バナも見逃さない!

そう訴えかけてくる瞳に
ふと、考えがよぎった。


(あれ…? ってことは……。)


視線が自然と上を向く。

考える頭に神経が集中してしまった為に
私の足はピタリと止まる。
焦点の定まっていない視界の端で
私に合わせるように、二人もピタリと足を止めるのがわかった。


(三奈ちゃんなら
爆豪くんの好きな人…知ってるんじゃない?)


我ながら、良い所に目を付けた。
そうだ、彼女なら気付いてるかも!
やはりこういう時は友達に相談するに限る。


「おおーい? ハイリ?」

「ちょっと芦戸! 止めときなって!」


昨日から、私を悩ませていた出口の見えない迷路。
その突破口を見つけた私に、二人の言葉は届かぬまま
三奈ちゃんの腕を掴む
袖を握って、桃色の手を握って
そして口を開いた。


「ね、爆豪くんって
好きな人居るのかなっ?」

「「……………。」」


顔を見合わせてピタリと固まる2人のクラスメイト。

その4つの目が再び私へと向けられるまで
ゆうに10秒は、かかったんじゃないかなー…。




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