第14章 【琥珀色】後天性片想い
~Side轟~
(いちいち確認すんな。)
もはや掴みかかってんのか
しがみ付いてんのかわからない峰田を引きはがし、床に落とす。
わりィが
こんな奴にまで構ってるやる暇なんざ、俺にはねぇんだ。
あからさまに食ってかかってくんのは峰田だけだが
一呼吸遅れて叫びをあげた上鳴は勿論の事、他の反応は大小様々。
俺に好きな女がいることが意外なのか
それともそれがハイリだから不満なのか…
理由は人それぞれだろう。
だが
(爆豪は後者で間違いねぇんだろうな。)
背に刺さる鋭い視線を無視して
ドアに手を掛ける。
爆豪のハイリへの干渉は日に日に増していく。
その度に割って入る所為か
最近のコイツの敵意は剥き出しだ。
意図して出した本音は、間違いなく牽制。
譲る気なんざ更々ねぇ。
だからうぜぇ文句も無視せず返してんだ。
それだけだ
なのにその所為で渦中のハイリが
こんな突拍子もねぇ勘違いをする事になるとは
夢想だにしなかった。