第14章 【琥珀色】後天性片想い
~Sideハイリ~
さて
では話を戻そう。
爆豪くんはどうして悉く
私に突っかかってくるのか?
彼はツンデレだ。
あまり仲良く見えないけれど、幼馴染の緑谷くんが良い例だと思う。
現に私がこのクラスに入る時だってそうだった。
言い出したのは私だけど
結果、一戦交えるまでに至った。
彼は少しどころじゃなく不器用な人なのだ。
たぶん、大切な人に対しては特に。
これらを念頭に置いて考えてみると
一つの答えが浮かび上がってくる…
まさか…っ
爆豪くんまで…?
いやいやいや、無いでしょう?
髪が乱れるほどに首を振り
そんな答えをも振り払おうとするけれど
考えれば考える程、全てが一致するんだ。
なんで私に異常に突っかかるのか
それは
焦凍が私にだけ構うからで
何で決まって常闇くんの時にやって来るのか
それは
次が焦凍だから…
ではないだろうか……?
(………ど、どうしよう………。)
そう
新たな壁とは爆豪くんの事だ。
流石に彼が相手では
力ずくで来られた暁には敵う気がしない。
というか敵わない、確定だ。
切羽詰まった頭は
爆豪くんまで昼休みの女の子たちと同じにカテゴライズしてしまう程。
もう、頭がショートしてしまいそう。
限界だ。
兎にも角にも
最近の私には余裕が無い。
ああ、やっぱり関係を伏せるなんて馬鹿な事
最初から言わなきゃよかった…。
「もう隠しておくの、限界かも知れない…。」
漏れ出た本音は誰にも拾われる事無く
問題の二人の言い合いに飲まれて消えた。