第14章 【琥珀色】後天性片想い
~Sideハイリ~
正直に言ってしまえば
爆豪くんのお陰で今のこのクラスがある訳だし
極力要望には応えたい。
だけど順番は順番。
ケガや体調不良がない限りここは理解して頂きたいところなのだけど、最近は全然診察してないから…
(そろそろ診察しなきゃ
とは思ってるんだけどねー…。)
毎度の様にこのタイミングで現れては
終わりの見えない口論に没頭してしまうので
してないと言うより、出来ないの方が近い。
急かす割に私を無視するとは、これ如何に。
口に出してないはずの皮肉まで
聞こえてしまったのだろうか
タイミング良くつり上がった目がこちらを向き
思わず笑みを取り繕った。
「じゃあ、モタついてねぇでさっさと終わらせやがれっ!
オイコラ、ハイリ――…」
「だからコイツに突っかかんな。怖ぇんだよ顔が。」
いや、焦凍の顔も怖いです。
教室ではただでさえ愛想無いのに
切れ長の瞳は更に細められている。
加えてこの高圧的な態度…
爆豪くんは常にこんな感じだから違和感ないとしても
焦凍の不機嫌ははっきり見える。
だからといって
本来ならできるハズのツッコミも、
ここではできないのだけど…。
私たちは未だに付き合ってる事を伏せているのだ。
そして最近、
この状況が私にとって大きな大きな問題だという事に
私は気づいてしまった。