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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第13章 ♦番外編♦ 熱焦の瘢痕


~Side轟~


「……いっ…っ」


上がりかけた悲鳴に
噛みついた鎖骨から僅かに顔を離す。

寄せられた眉と反射的に跳ねた肩
いつもより大きな反応と飲み込まれた言葉に
痛みによるものだと直ぐに理解した。


(勢いあまって強くし過ぎた…)


出会った時もそうだがコイツは軽すぎる。
力の加減をしても尚壊しちまいそうだと思ったことは、一度や二度じゃねぇ。


「ワリ、痛かったか?」

「んーん、平気。」


詫びてもコイツはこれしか言わねぇから
尚更加減してやらねぇといけねぇってのに
ハイリはいとも簡単に理性を奪ってくモンだから、余計に難しい。


(まずは理性か…。)


とりあえず見ねぇように…。

わざとらしく逸らした目だったが
俺の努力はすぐに意味を無くす。


「良いから見てっ!」


両頬を手で挟まれて再び視線は
柔らかい通り越して旨そうな胸元へ。

これじゃ、生殺しだろ…。

重く垂れた頭を頬を掴んだままの両手が、遠慮なく持ち上げた。


「これ…何かに似てない?」

「は…?」


頭に花を咲かせんばかりの笑顔でもう一度指したのは
昨夜の赤い痕だ。
あまりに散ってたもんで気付かなかったが、そこだけ3つの紅が集中して赤みが大きく見える。
寧ろ痛々しいくらいのその紅と、目の前の能天気な笑顔がどうも結びつかず、ただ首を傾げた。


「……三つ葉?」

「まんまだな!」

「葵の紋。」

「あんまり変わってないでしょ!」


割と的を得ているとは思ったが、ハイリの中にある答え出ないとダメらしい。
小さな正三角形に収まってしまうような3つの赤い点。
時間をかけるごとに、答えを外すごとに
ハイリはしおしおとベッドの隣に座り込んでいく。

終には座り込んだまま背を向けノートにペンを走らせると、しびれを切らしたかのようにそれを突き付けて来た。



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