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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第13章 ♦番外編♦ 熱焦の瘢痕


~Sideハイリ~


彼は――
今日の遊戯を何が何でも続けたい様だ

舌を吸い上げられて眩んだ目にも
焦凍の表情だけははっきりと映る。

眉間にしわが寄ったのは一瞬
唇が離れた時には、余裕を取り戻しているように見えた。

悔しいけれど、この表情が好き。


「せめ? いって?
お前攻められんの好きだよな?」


吐息が触れる距離を保ったまま
楽し気に角度を上げた口端を赤い舌がなぞる。

都合よく解釈されたものだ

否定したくとも、もはや色気に気圧されて
目を逸らす事すらままならない。

捕食する側とされる側
その圧倒的な力関係が心地いい
酩酊していく頭はそんなことを考える程…

いつもよりゆっくりと
奥へ、奥へ
まるで味わっているかのような行為に
胸の中の皮肉は零れる間もなく熱と化した。



「んっ…はぁっ…っ」

「その表情、良いな…」



薄闇の中に居る筈なのに
視界はもう白に近い。
奥に擦り当てられるたびに目の前がチカチカする。

自分がどんな表情をしているのか
それを見て焦凍がどんな表情をしているのか
お陰でどちらもわからない。

知ったらきっと
私は身の置き場を無くしてしまうのだろう
手放し損ねた理性をいまさら疎ましく思えてしまう。

直に与えられる快楽だけじゃない
耳をくすぐる言葉にまで身を震わせる。

理性ある故の快楽は
突き詰めれば羞恥に繋がっているのかもしれない。



「綺麗だ…」

「……っ」



聞き慣れない形容詞に心臓がどくりと跳ねて
身体の内側から外側へと脈打って行く



「ひぁ…っ…ぁっ…あぁ…」

「おま…待てっ、て…っっ」



立てたばかりの仮定が確信へと変わる
自分の中に熱いモノが注ぎ込まれるのを感じながら
力無い笑みをへらりと浮かべた。

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