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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第13章 ♦番外編♦ 熱焦の瘢痕


~Sideハイリ~


バタつかせていた手はすぐに囚われて
マットレスに埋まってしまう。

ついさっきまで見下ろしていた顔に見下ろされ
その向こう側にある天井にホッとしている自分がいた。

組み敷かれるのは、結構好きだ。

誘うように細められた目も
焦らす様に撫でる指も
優しく啄む唇も全部好き

焦凍のものなんだって実感できる。

所有物の印は私にとって
「誰の名前」なんて意味はない
「誰が付けた」かが大切なんだ。

焦凍が居なくても残るものなんて必要ない。
焦凍が居なきゃ残らないものが欲しい。

感情をそのまま表情に乗せると
まるで合わせ鏡の様に焦凍も微笑を浮かべた。


「今日は余裕だな。」

「お陰様で。」


一層笑みを深くして涼しげな瞳に熱が灯る。
じゃれ合いからまぐわいへと変わる瞬間
空気が途端に密度を増す。

お陰様は皮肉でも何でもなくて、本当に焦凍のお陰ってだけ。
今日の焦凍はなんだか警戒する事を知らない子供みたい
お陰で甘やかしたくなってしまう。


「どこにつけても…?」


つ…っと胸の間を滑る指先に力がこもる。

ゆっくりと視界を下へと下がっていく顔は、視線だけ絡めたままそこへ口付けた。


「んっ…いいよ。」


私が言い出したことだ。
ダメなわけがない。

触れた部分から溶け出してしまいそうな熱が広まっていく。
ちゅ…と耳をくすぐる水音は絶対わざとだ。


(いたずらっ子だな…。)


僅かに入ってくる風がサラサラと髪を揺らす。
堪らなく愛おしくてその髪を撫でると
その手を取って平にキスをくれる。

甘えてくれてるみたいで安心する。
何されたって良いって思えてしまう。

理性を残したままこんな感情を抱くのは、初めてだ。


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