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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第13章 ♦番外編♦ 熱焦の瘢痕


~Sideハイリ~



「ハイリにも俺の名前書きてぇ。」

「名前…?」



理解しても尚、聞き直さずにはいられなかった。

まさか名入れのおねだりとは……
この人の発想はいつも私の予想の斜め上を行く。

きっと今の私の目はいつもの倍は大きんじゃなかろうか。

呆気にとられた頭はつらつらとツッコミを連ねた後
静かに疑問を浮き上がらせる。


「これじゃ…ダメなの?」


指し示した肩にある印は、今日のか昨日のかもうわからない。

毎夜のように「自分の物だ」と言いながら付けているし、言うなればこれが名前みたいなものじゃないだろうか?

これではダメなのか?
私の疑問はごく自然なものだったと思う。
だけどどうやら
先程の「面白くない」の根拠はここにあった様だ。


「それだと消えちまうだろ…」


そもそも名前じゃねぇ
若干ふて腐れてそう言う姿を愛おしく思うものの
出たのは苦笑だった。

消えない名前なんて大分限られてしまう。
第二候補のネームペンで名前を書くって言うのも
この言葉で帳消しされてしまった。



(うーん…困ったな。)



どんなおねだりだろうが聞いてあげたい。
そう思ったばかりだと言うのに
私の心は、どうしてもそれを拒絶したくて堪らなかったんだ。


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