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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第13章 ♦番外編♦ 熱焦の瘢痕


~Side轟~











『自分のものにはきちんと名前を書きましょう。』












ガキの頃、一度や二度じゃねぇ…
当たり前のように言われた言葉だ。

それは誰が見ても、自分のモンだとわかるように書いとけって事。
それが所有物って証。

って事はだ
これ、意味あんのか…?

指先でなぞったのは細い肩。
白い肌にまだ色を残した昨夜の俺の痕。

当たり前の様に自分のモンだと刻んだ印だが
こんなん誰が付けたって同じだろ。

肩に、胸に、背に至るところに散る紅い花びら
この中に一枚だけ違う奴の痕があったとして
俺は気付くだろうか?

誰か他の奴がこれを見たとして、
これが俺の印だとわかるだろうか?

付き合っている事を伏せている今、それはねぇだろう…。
そこだけは確かだ。

それはそれで


「なんか面白くねぇな。」


束の間の問答はその過程を吹っ飛ばし
結論だけが口を突いて出た。


「……ごめん。」


自分に向けられた言葉だと思ったのだろう。
咄嗟に出たような詫びと、伸ばしかけて止まった手。

「待って」の後に「面白くねぇ」じゃ無理もねぇか。

不安の色を湛えた瞳が一層俺の欲を肯定している様だった。








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