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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第11章 【桜色】慢性合理的疾患


~Side爆豪~


固まったんじゃねぇ
呆れたんだ。


「ツンデレと言うやつだね?」


惜しみなく向けられた屈託のない笑顔と
見当違いな言葉。
スタートからして勘違いしてたであろう女の思考は
180度回っても、未だ的外れな場所に居やがる。


「ちっげぇぇだろーがっ!
何処をどう解釈すりゃ、ンな結論に至んだよっ!!」











もはやこれはもう戦闘じゃねぇ。

観戦席を見やれば
唖然としたクラスのクソ野郎ども
当たり前だ、
この状況…雑談中にしか見えねぇだろ…。

躱したのは一撃だけのクセしやがって
なんでこの女は既にやり切った感出してんだ!?


「オイ女。」

「あ、モブが無くなった。」


どうも邪魔になったのか手渡したばかりの金属棒は
再び容易く手放された。
コイツは殴られるより、手を叩くことの方が重要らしい。

返ってくる反応はどれもすっ呆けたモンばかりだが
表情を見た限り、満足しているようにしか見えねぇ。

一人で完結してんじゃねぇぞコラ。

堪らず睨みつけてはみたが
効果は見えなかった。


「どーすんだこの空気、
真剣勝負って感じじゃねぇぞコラ。」

「そんなことないよ。ちゃんとやる!
やっと話せるようになって来たトコだもの。」


金属棒を拾い上げ真剣な顔で握りしめる所を見ると
真面目に続きをやるつもりみてぇだ。

この女の中身が見えなかった。
ヒーローになることに反発してるわりにゃ
やってる事はヒーローみてえなもんだしよ。

だが今の言葉で一つわかった。


「行きますっ!」


振り下ろされた棒を片手で受け止めると
女は目を丸くして苦笑を浮かべた。
反動で揺れる亜麻色の髪が、俺の頬を掠めて落ちていく。

力の差は歴然
終わらせる気になりゃいつだって終わらせられんだ。
だが、まだだ…。


(やっと目的が分かったんだからな。)


コイツは…
俺と話す為だけにクラスを巻き込んで
こんな茶番を仕掛けた訳だ。

何故だかはわからねぇが
利害は一致してんだ、話してぇのは俺も同じなんだからよ。


「攻守交代だっ!」


口の端が吊り上がるのがわかる。

ようやく面白くなってきやがった。

掴んでいた棒ごと女を突き飛ばし、
そのまま自分の金属棒を横に薙ぎ払った。





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