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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第10章 【桜色】二重カルテ


~Side轟~


同じだ。
緑谷の時と。


あの時よりは
ハイリのことも把握してるつもりだ。

コイツは何かを抱えている奴を見つけると
ソイツの事しか考えられなくなる。

今は爆豪の事で頭が一杯なんだろう。

わからねぇとは言わねぇ。
それがお前の性分だ。
放っておけねぇんだろ?
だが
面白くねぇのは変わらねぇ…。


「ハイリ。」


名前を呼びながら隣に座るハイリの髪に触れる。
そのまま抱き寄せて頭を自分の肩に乗せる。


「な…っ……」


やっと意識をこっちに戻したハイリは
身を離しながら見る間に顔を赤くしていった。


「……何っ!?」

「飯、食い損ねるぞ…?」


昨夜の出来事を経ても
この反応は相変わらずなのか。

乱れてもいないのに髪を手櫛で直し
あたふたと手にしたフォークで、グラタンを勢いよく刺す。
口から出る説教も変わらずだ。


「ここっ…敷地内!」

「だな。」

「しかも外っ!」

「見りゃわかる。」

「~~~~~っっ!!!」


返す言葉を失って
赤面したまま口を引き結ぶハイリは
見ていて面白い。

朝から抱えていた不満が
ここへきてようやく満たされる
そんな気分だった。

























同じクラスになったは良いものの
付き合う事を伏せたままのこの現状
俺としては喜びより、色んな意味で不満の方がデカい。

すぐそこに居るのに触れねぇってのは
この上なくストレスだ。

今後の為にもいい加減はっきりしてもらおうか
そう思って手を掴み引き寄せる。


「―――?」


口を開くよりも先に目に入ったのは
赤みを増した頬より赤い、小さな点だ。

ほっそりした指の白さを強調するかのようなその色に
視線を固めた俺は
ハイリの意向などお構いなしに、その指を口元へと引き寄せた。



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