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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第8章 【桜色】パニック &ぱにっくシンドローム


~Sideハイリ~



「はぁっっ!?
私と消太くんが!?
どうしてそうなった!?」

「ただの教師と生徒じゃねぇっつーのは事実だろ?」


頓狂な叫びをあげる私に対して
轟くんは至って静かに返す。

どこか不機嫌だな…
と感じていたのは間違ってなかったみたい。

恐る恐る顔色を窺うと
サラサラな前髪の間から、切れ長の目だけがこちらを向いた。


「言っとくが、キレてねぇ。
イラついてるだけだ。」


そう言いながらフイと逸らされた顔には
不機嫌以外の感情なんて見当たらない。


(それをキレてるというのでは!?)


間髪入れずに思い浮かんだ言葉は
ツッコめる立場じゃないという思いと共に心に沈めた。


「ごめんなさい…。」


ここ3日一緒に居てわかったことがある。
轟くんは感情にとても素直な人だってこと。

場合によっては悪い事とも取れるけど
素直になれない私にしてみれば羨ましい限りだ。

そんな彼が「キレてない」と言う。

全く隠せてないけれど
私を気遣って我を出さないように
感情を抑えようとしているって事はちゃんとわかる。
それは嬉しいと同時に
とても胸に痛いものだ。


(はぁ……厄介なことに。)


視線を伏せて考える

わかってる、一番理不尽な思いをしているのは轟くんだ。
その彼の前で凹む資格なんて私にはない。
どこまでも巻き込んでしまって本当に申し訳ない。

短く息をつくと
腰を抱き寄せられ、上を向かされた。




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