第1章 兵長の恋愛事情
「うぅ、ひっく、えぐ....」
本部の長い廊下を泣きながら歩く
幸い周りには誰も居なくて見られることも無い
『もえは俺のすべてなんだ』
兵長が最後に行った言葉が
私の胸を締め付ける
何で私じゃ駄目なの?
何で彼女なの?
いつだって兵長のそばに居たのは私なのに
何で、何で、何で!!!!!!
ふらふらと歩き続けていると誰かにぶつかった
「あら、ごめんなさいって、あなたたしかリヴァイの班の....」
あぁ、今一番聞きたくない人の声がする
彼女の澄んだ綺麗な声は
真っ黒に侵された私の心に突き刺さる
「あなた....泣いているの?」
見られた
恥ずかしい、悔しい、
いろんな思いが混じってまた涙が流れる
とたん、
彼女はおろおろしだして
「どうしましょう、泣かせてしまったわ((°Д°;三;°Д°))」
なんて言ってる
「おかしな人...」
少しだけ笑えた
彼女は私の手をとって歩き出す
「私の部屋にいらっしゃい、相談くらいなら乗ってあげられるから」
にこりと微笑んだ彼女にまた黒い気持ちが溢れる
あなたに分かる筈が無い、
リヴァイ兵長の心を独り占めできるあなたに
嫉妬に狂う私の気持ちなんて.......
そうは思いながらも
私は黙って彼女について行った
たぶん
誰でも良いからこの気持ちをぶちまけたかったんだと思う