第1章 兵長の恋愛事情
「兵長もえさんの言う事はきくんですね」
「ペトラ?」
ハンジさんが笑うのをやめて私の顔を心配そうに覗き込んでくる
兵長は無言のまま首もとのネックレスをいじっていた
ネックレスには指輪が通してあって、嫌でも結婚指輪だってわかる
駄目だ、言っちゃいけない
これじゃただの八つ当たりだ....
「もえさんだっていつか巨人に食べられちゃうんですよっ!!!!」
「ペトラッ!!!!」
ハンジさんに怒鳴られて我に返る
「あ、私.....」
兵長にひどい事言った
自分が情けなくて下を向く
「ペトラ...」
兵長の声が聞こえる
「もえが巨人に食われる時は俺が死んだ時だ....あいつは、俺のすべてなんだ」
兵長の言葉の一つ一つが重くのしかかってきて
すぐ近くに居る兵長の顔を見ることが出来ない
「頭、冷やしてきます...」