第1章 "あんたが好きッス!!"
校門を出てすぐ黄瀬くんは話し始めた。
黄瀬「亜美っち、話あるって言ってたッスね。どうしたんスか?」
黄瀬くん、なんだか真剣だな…。
亜美「今日、さつきちゃんが黄瀬くんの様子がおかしいって言ってたの。」
私はさつきちゃんと話した内容を伝えた。
亜美「何か悩みがあるの?私はマネージャーだし、聞くだけだけど言ってほしい…。」
私達はいつの間にか立ち止まっていた。
黄瀬「……ふふっ、あはは、あははは!!」
突然黄瀬くんが大声で笑い始めた。
亜美「ちょ、え、黄瀬くん!??」
黄瀬「あはははっ!あー…。ごめんごめん!ちょっと亜美っち本当にわかってないんだなって思って、笑っちゃったッス」
亜美「わかってない…??それってな…!!」
ちょっと黄瀬くんに近づいた時、腕を掴まれ無理やり壁に押し付けられた。
亜美「き、黄瀬くん…!?」
黄瀬「ファンの女の子を避けてたのも、クラスの女の子を相手にしなくなったのも全部亜美っちのせいッスよ?」
亜美「私の…?意味わからないよ、黄瀬くん…!」
黄瀬「そのまんまッス。本当鈍感なんスね、あんた。」
ぐっと抑えられている手首に力が加わるのがわかる。
すごく、痛い。
亜美「わかんない…!、痛いよ、黄瀬くん…」
私がそう言うと黄瀬くんは、ハァとため息をつき手首の手を離した。
黄瀬「つーまーりー…。好きなんスよ…あんたが好きッス!」
え…え?
今、好きって言った?!
えぇええぇ!!?
亜美「冗談だよね…?好きなんて、また私をからかってるの?」
黄瀬くんは目を大きく見開き、また真剣な顔になった。
黄瀬「俺はいつだって本気だったッスよ…。練習中も、さっきの外周だってずっと亜美っちの事考えてたし。」
亜美「黄瀬くん…」
黄瀬「初めてッスよ、好きな子に告ったの…。そのくらい亜美っちの事が好きッス。俺と付き合ってよ」
真っ直ぐ黄瀬くんは私を見つめる…。
その眼差しはいつものヘラヘラした黄瀬くんじゃなくて…なんか、カッコよかった。
でも……