第4章 ”従え"
亜美「わ、私は…」
ど、どうしよう…なんて、答えればいいの?
思わず赤司くんの目を見つめる…。
吸い込まれるような綺麗な瞳。
でも、今は私からの答えを待っているように神々と揺れていた。
赤司「どうなんだ…?」
急かすように声のトーンが低くなったように感じた。
私は精一杯声を出す。
亜美「す……」
…。
言いかけた。
ちょっと待って…。
私は本当に赤司くんが好きなの…?
ふと、赤司くんが踏み潰した手紙を見る。
『赤司くんが大好き!!』
『付き合ってください!!』
そんな内容がいっぱい書かれていた。
亜美「…っ!」
私のこの気持ちじゃ…この手紙を書いた人には…勝てない…。
亜美「ごめん…なさい…。こんな、中途半端な気持ちで…赤司くんとは付き合えないよ…ごめんなさい。」
私の目からは大粒の涙が溢れ出てきた。
なぜだか、自分でも理解できない。
今なら、赤司くんに何を言われても耐えられる気がした。
どんな辛い言葉でも嬉しい言葉でも受け止める覚悟があった。
赤司くんは一言も話さない…。
顔を上げても、夕日から赤司くんが逆光して表情が見えない…。
でも、一瞬、口を開けたように見えた。