第99章 【番外編】ふたりさんにん
目が覚めると湯船の中で、ずっと同じように抱きしめられていた。
髪まで綺麗に洗ってもらった後で、気恥ずかしくなって起きたことを教えるか悩んでたら、
「…はよ」
と声をかけられてしまった。
「す、すみません…」
と短くなぜか謝罪してしまった。
貰った物と言えど大切な思い出を着て、その上それで一人でシてしまって、更にそれを見られる……耐えられそうにない失態だ。
「いや、怒ってねえよ…」
「そ、それはわかってるんですけど…なんか…」
「いつもよりヨガってたのは…なんだ?」
しょぼくれてると、半分笑った声でふっと聞かれる。
余韻がまだある全身にそれは響いてしまって、びくっと肩が揺れた。
「や…えっと…」
言っていいものか悩む。
(二人の繋心さんにシてもらってるみたいでとてもよかった…なんて…)
言い訳を考えているとくくっとまた笑われる。
「また着てやろうな?」
と囁かれる。
「と、とうぶんは…いいです…」