第11章 傷痕
「やあぁ!おねがい、や、やめて…!!」
「ほら、キモチイイだろ?」
「や、いやっ…!」
恐怖と痛みで動かない身体を必死に捩らせようとする。
その姿がたまらない。
こんな怯えてくれるのは、俺だけ。
早く受け止めて欲しい、俺だけの愛情表現。
「はは、水脹れ、気持ち悪ーい」
早速できた火傷の痕にきつく爪を立てる。
「いたぁっ!やだ、やだぁっ!!」
「ナカ、絞まってるよ、さすがマゾだね」
引き抜いては突き立て、やがて異物を拒否したソコはぬるぬると滑りをよくさせる。
滑らかに動けるようになると、自分がイイところを探って内壁に押し付けた。
なんでこんなに胸内を騒ぎ立てられるのか。
支配欲だけが増していくのか。
こんなに、こんなに好きなのに空回りばかりしてしまうのか。
自分のことなのにわからない。
るるにイライラが募るだけ。
「くそ、くそっ!!」
らしくもなく乱されて邪魔されて、こんなに醜い自分をさらけ出してるのに否定されて。
「お前も、一緒に死んじゃえばよかったのに……」
耳元で呟くと、はっと目を見開いた。
打ち付ける腰は止めない。
もうここまで来てしまったのと同じように、彼女に欲情しないことなんて出来ない。
ナカにドクドクと精を吐き出すと、血と混じった自分のモノがトロトロ溢れてきた。
るるは床から起き上がりもせず、ぼーっとなにとも視線を合わせずにいた。
もっと、違う抱きかたが出来ればよかったのに、と少しだけ思った。