第90章 【番外編】皮肉なことだ
岩ちゃんがるるのことを気に入っているのは、幼馴染みの性かすぐに理解った。
ただそれは、好意なんていうものは軽々と越えていて、複雑な気持ちだったのは記憶に新しい。
さわやかくんのとも違うそれは、見ていて痛々しい程だった。
そんな気持ちは露知らずに彼女は接していて、なんとなくそれがイライラした。
奪えばいいのに。
そうしたら、俺達の関係も終わるし、その方がるるにとってもいい。
何度も深くそう思った。
受験が終わって卒業式前、漸く縛りから解放された喜びから、男何人かで遊んで夜中に帰って雑魚寝する、なんていうことを何回かした。
その時に、岩ちゃんはるるに告白したという話を暗い顔でしてきた。
「は!?で、返事は!?」
他の野郎も食い付くようにその話を聞く。
暗い顔からして明らかに振られたんだろうとは思ったが、彼の想いも、そしてるるの考え方もよくわからないと認識した。