第85章 【番外編】邪魔な奴
力なく倒れる身体からは、違う奴の移り香がする。
帰宅してから風呂に行かせる隙すら与えずに、焦らしながら説教をした。
とろとろになっていく身体とは裏腹に、彼女自身の強い香りとその違う雄の臭いが混じり、無性に腹が立った。
その臭いが全部消えるまで抱かないと気がすまない。
少しアルコールの入った粘膜は、熱い。
こちらも持っていかれそうになる。
腕を回し、離れないようその細い肩を抱く。
そしてまたゆっくり、段々とスピードを上げ、その甘い肉体を蹂躙していく。
「あぁぁ…、いやぁっ!ん、くぁっ…!」
逃げられないようしっかり固定し、ただその一点に楔を打ち続ける。
「い、いってる、いってるからぁあ…!!」
「だからなんだ」
「あっ!んあっ!いじ、わるっ!」
電流が流れる度、それを逃がすように指先に力が入った。
頂点を迎える度に、項あたりからする香りがより一段と強くなり、不快な臭いが消えていく気がする。
「はぁ、んぁ…っ」
開きっぱなしの口に、容赦なく舌を入れ、ナカに合わせて回すようにゆっくりと堪能する。
びくびくと腰が跳ね、じわりとまた熱が溢れた。
気付けば人の腹に、コイツはまた勝手に水溜まりを作る。
かきあげた髪から、また花の香りがする。
もうすぐ、二人だけの世界に戻れる。