第78章 【番外編】誰にでもある願望
天然無防備なソイツはナンパによく引っ掛かる。
待ち合わせ場所にいないと思えば、道案内した野郎にお礼にお茶でもと言われ、付いていってた。
「おい、知らない奴に付いていくなって幼稚園の頃習わなかったか」
「繋心さん!」
「…げっ」
「この人面白いんですよ!
いろんなこと知ってて……」
「ヒトの話を聞け!!!
お前もいちいちナンパとかすんな!!」
「もう、そんな怒らなくても……。
すみません、ご馳走さまでした!」
律儀に頭を下げ、引っ張るように店から出し、久々のお説教モードである。
「危ない奴だったらどうすんだ!?」
「うっ、ごめんなさい!」
「知らない人には」
「つ、付いていかない…」
「もし助けとかそういうのだったら」
「他の大人に言う……、
わ、私、大人ですっ!!」
「クソガキだ!!」
「あぐうっ!!」
反抗してきたのでこれでもかと頬をつねる。
呆れて何も言えない。
今時こんな古い手口のナンパに引っ掛かったり、こんな幼稚園で教わる防犯が出来てなかったり。
最早クソガキどころか、園児以下である。
「こんなガキにやらしーことしてたら捕まるな…。
大人になるまで待たねえとなぁ!?」
「え??」
「お前がちゃんとするまで無しだ無し」
「えええ!?」