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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第1章 夕日と肉まん


朝6時、朝食の支度をしながら新聞をとり、軽く店の掃除をする。
「るる、俺は店があるから起きてるがゆっくりしてていいぞ。
何かあったら店に来い」
ノックしてドア越しから声を張った。
返事はなかった。
まだ寝ているんだろう。
邪魔をしてはなんだと思い、残った家事に取りかかる。
洗濯を終わらせる頃にるるが上から降りてくる音がした。
「ご、ごめんなさい、寝坊しちゃって……」
寝癖を直しながら彼女は慌てて俺の作った朝飯を食っていた。

烏野の制服姿で。

「…………」
「私、帰宅部なので6時間目終わったら買い物して帰りますね。
何か必要な物ありますか?」
「…あ、ああ…じゃあこれで夕飯の買い出しを…あとお前の必要な物、買っとけ?」
ぎくしゃくと動揺を隠せないまま俺は生活費封筒から金を渡した。
「ありがとうございます…ほんとに、えっと…」
「ああ………っと、繋心だ」
「ふふ、繋心さんには感謝してもしきれません」
笑いながらそういうと、彼女は学生鞄を持って学校へ向かった。
「俺、逮捕されんのかな…」

不安とちょっとしたドキドキで満ちた俺たちの生活が始まった。
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