第69章 【番外編】夏の夜の夢

睫毛までしっとりと濡れた瞳で、ぼんやりと天井を眺め、尚も離さない手にまた少し力を込めた。
「どーした？」
わざとらしく聞くと、ひくりと肩が揺れ、小さな声で、
「ばか…」
と珍しく直接的な文句を言われた。
余裕もなく、しかも散々いたぶられ、不貞腐れているのだろう。
それに対してムカつきはいないが、なんとなく、更に苛めたくなる何かが、背中にぞくっと走る。
「こっちも限界だ」
と組み敷き直そうと体勢を変える。
一瞬だけ、期待に満ちた顔を向けられるが、それは予想していたのとは更に違う形となり、るるの表情は次第に戸惑いに変わる。
「今日は乳にシてもらうか」
と豊満なその谷間に反り返りそうなソレを挟む。
「ふぇ！？…や、まっ…あ、ん…！」
柔らかく温かい人肌に包まれ、やがて先端から出てしまった先走り液が滑りを増していく。
ナカとは違い、つるつるとしたそこは、また違った良さがある。
「ちがぅ、ちがうのぉ…！や、おねがい…！」
たまに胸の果実が擦れ、もぞもぞと腰を動かす。
あいた口にエラまで入れ、まるで子宮口に入ったような錯覚。
「ふ、ぁぁ、やぁ…やらぁ…っ！」
涙を溢しながら、時折ちろちろと舌で刺激される。
思わぬ行為に、一気に果てが近づく。
「……くっ、出る…」
「っ！！」
眉間に皺を寄せ、こちらが終わりを迎えたというのに、今座っているるるの腹がぴくぴくと反応を示した。
息をのみ、出した白濁を吸いながらも、彼女は電流を流すかのように、爪先にまで力を入れる。
咥えながらも、ふーふーと荒い呼吸を繰り返し、やがてゆっくりと喉に流し込んだ。
「…イったのか？」
「ち、ちがうの、だって…、そんな、急だったから…っ」
情事においての彼女の否定の言葉は、あまりにも役に立たない。
それは、よくわかっている。