第69章 【番外編】夏の夜の夢
偶然が重なり、出来てしまった必然は、そうならざるおえない、という事への暗示なのかもしれない。
そんなことを思わせる、蒸し暑い夏だった。
低気圧が重なり、台風が後を立たない。
やっと停電がおさまったと思えば、次は隣町で洪水。
山岳地帯では行方不明者も出ている。
仕方がないといえばそうかもしれないが、野菜や物価が高騰した。
「異常気象ですよね…」
「ま、そんな年もたまにはあるさ」
軽く流したが、結構うちの店も深刻な被害を受けていたりする。
一部の商品は入ってこない。
在庫のことなども考えると、なかなか厳しい。
店も急遽閉め、久々にシャッターに木材を打ち付ける作業をした。
一番近いスーパーまで行き、停電した時にでも大丈夫なようにレトルト食品と飲料水を買い足した。
明日から合宿だが、どうなることだろうか。
残念ながら、るるは今年はバイトの為、一緒に来ることは出来ない。
何よりガッカリしてたのが、部の連中だったが。
それはそれで腹が立つのでザマァとしか言いようがない。
報告をしに行った日、全員口をあんぐり開けて落ち込んでいた。
残念ながらむさ苦しい旅行になりそうだ。