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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第65章 【番外編】極夜


「痛かったか…?」
心配そうにそう聞かれる。
「…っ、え…?」
涙を拭われてやっとわかる。
生理的な涙でなく、気持ちの問題のそれは、しとしとと今降っている雨のようだ。
「あ、だ、大丈夫…、ごめんなさい…!」
「やめるか?」
「だめっ、だめ、です……」
抱き締められている方が落ち着く。
そんな理由で、彼のシャツをぎゅっと指で離れないようにきつく握る。
薄い筋肉のついた身体は、私の小さな身体では包みきれない。
逆にまた覆い被されて、獰猛な獣に襲われているはずなのに、テントにいるような妙な安心感に胸がきゅんとする。
寒い夜なのに、汗ばむほど激しい。
歯痒く疼く奥に、コツコツと先が触れて、少しの痛みと圧迫感と気持ちよさで目眩がする。
「あっ…!あん…!」
「声…抑えろ…」
「ん、ん…!!」
口で口を塞がれ、なんとか酸素を取り込もうと顔をそらす。
それなのに、深くなっていく。
粘膜刺激に過敏になった身体は、その刺激にきゅうっと締める。
「…く…」
苦しそうな声と表情が、じゅくっと下腹部を疼かせる。
そんな私は変態なのではないか、なんて、いつも思う。
明るくなりそうな空が、カーテンから僅かに見える。
また寝ないで仕事に行かせてしまうのか、と思わず自分の残酷さに笑いが出てしまった。
「何笑ってんだ…?」
「また、無理させちゃったな、って」
「……自覚あるなら、最後まで付き合えよ…っ」
「きゃあっ…!!」
悪戯する子供みたいな顔をされ、反転させられる。
「やぁ…っ、ま、だ…っ!」
お尻を少し高く持ち上げられ、ごりごりと奥に擦られる。
「いやぁぁあっ…!それ、それだめぇ…っ」
「啼けっ!」
「んん…!!や、ぁ、あっん、だ、だめっぁぁ…」
緩やかな甘い刺激が、どんどんと押し寄せ、波になってはとろりと熱を生み出す。
「は、ん……」
最後に激しく攻め立てられ、温かいモノが背中を流れた。
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