第64章 【番外編】狭い小さな檻
土曜の部活は朝からぶっ通しだが、そんなことはお構いなしに、蕩けた顔のソイツは付いてきた。
あまりに嬉しそうで、一応は一安心だ。
「仲直りは夜通しでしたか」
と勘づかれ、ぼそっと月島に嫌みを言われる。
ご名答で、こちらは二時間寝たか寝ていないかだ。
それでも、珍しい彼女の懇願には逆らえない。
その日は勿論、離れずに付きっきりで、1日を過ごす約束だ。
蒸し暑いあの家で、今日も寝れぬまま朝を迎える覚悟を決めていた。
風呂に水を溜めておくのも手だろうか。
目を合わせれば、嬉しそうに舞台から手を振る姿。
「帰ったら説教だな」