第58章 まほろば
「は、あぁっ、ん…む、ん…」
奥歯で甘噛みされると、その刺激できゅっと締めてしまう。
「んんっ!やぁ…、ぁん…」
「そんなにイイなら、もっとしてやるよ」
むにむにと感触を味わうように、食べられるように楽しまれて、ぞくぞくと変なのが腰とお腹に走っていくのが止まらない。
じゅっと音を立てて吸われ、私はナカの刺激とはまた別に達してしまった。
「ぁっ!やぁあっ!」
それでも、お腹の奥はきゅうっと締め付け、私の胎内をますます敏感にしていく。
熱いカタチが、好きなトコロを激しく突くように動くと、悲鳴に似た甘い声が勝手にこぼれてしまう。
「はぁあぁぁ…!いっ…!また、いっちゃぅうっ…!!!」
爪先とお腹に勝手に力が入って、びくん、と揺れて最大限に受け入れる。
「んっ、やぁ、もっ、とま…ってぇっ!!」
「無理だ…っ」
止めてくれない息苦しさも、また果ててしまいそうという訴えも、煙草の匂いに呑み込まれてしまう。
「んー!ふ、あぁぁっ…!」
目の前が真っ白になる。
さっきまでの震えそうな寒さが、芯まで熱くて、身体は蕩けそうなほど。
引き抜かれて、どろりとした欲が掛けられて、それすらも悶えてしまうほど気持ちがいい。
「ん…っ」
「寒くなくなったか?」
「…うん…」
「あとは、なんか、して欲しいことあんのか?」
どうやら、私の不安は筒抜けだったようで、少し恥ずかしそうに、ぶっきらぼうにそう聞いた。
「ちょっと、お墓参り、したいです…」
1人で行くのは怖いから、やんわりとお願いしてみた。
「今言うなよ!」
くすっと笑われるのが、なんとなく安心する。