第50章 【番外編】世界中のショコラティエに謝れ
「大丈夫か?」
お風呂から出て、横にしてくれたらしい。
まだお腹の奥にあるような感覚がする。
それよりも、襲ってくる、後頭部の鈍痛。
腰への鋭い痛み。
「いたっ…」
「るるさん初の二日酔い、おめでとう!」
「…めでたく、ないです……」
ミネラルウォーターのボトルを渡されて、飲ましてくれる。
「ううっ……」
「1日ゆっくりしてろ、すぐ治る」
「…添い寝してください」
「は?」
「その方が…はやく治ります」
仕方ないな、とお布団に入ってくる体温が嬉しい。
「恋人同士で、こうやってウィスキーボンボンを食うのが、正式なバレンタインデーだ」
「…そ、そうなんですか?」
「よかったな、また一歩大人になれたぞ」
「…次は、お手柔らかに…」
私が寝るまで、繋心さんは優しく手を握ってくれていた。
「ちゃんとウィスキーボンボンも食べたよ!」
翌日私は早速この報告をした。
全員が頭の上に疑問符をのせて、私が帰ってから繋心さんに赤い顔で文句を言うまで、あと数時間。