第5章 迷子
「るる、好き、俺が世界一愛してる…」
「あっ、や、はあっ……」
動きやすくなってきたところで、何年も抱いて熟知しているるるの弱点を下から突いた。
「あっ!!ああっ!!」
あっという間に甘い悲鳴になるのを心地よく感じる。
腕を回すとざらりと手のひらに感じる。
綺麗な彼女とは正反対の醜い背中。
でも、それが俺からの最大の愛情表現。
そこから逃げようとしてるのもわかっている。
知っている。
「…っ!」
この背中があれば、誰も俺達を邪魔出来ない。
「くそっ!!」
そう思っていたのに……。
白濁がナカに流れていく。
「いや、いやぁっ!!」
身体を振って彼女は昇っていくのを拒否する。
「あっ、あっああああ…!!」
「違う……」
びくびくと腕の中で痙攣するその娘は、もう愛しい今までのるるじゃない。
今までの、恐怖と不安で、俺にしかすがってこない彼女じゃない。
俺が恐怖の根源なのに、俺にしかすがる相手がいなかったのに。
迷い道から、出口を知ってしまった普通の女の子だった。