第39章 【番外編】かたむいたてんびん

「ね、もう一回…して」
精一杯の甘い声でお願いすると、少し困った顔をされる。
「くそ、可愛く言いやがって…」
初めて繋心さんと繋がった時みたいに、後ろから優しく抱かれて、荒々しくキスされる。
「お前の背中は…っ、誰より綺麗だ…、
俺は好きだから…もっと、もっとよく見せろ…！」
低い掠れた声でそんなこと言われたら…、私の身体はもたないかもしれない。
「やぁっ！また、いっちゃ…！！」
「そんなにイイかよ」
「すき、すきです…っ！きもちいいのぉ…っ！！」
ぐちゃぐちゃと気泡が潰れる。
「ふぁっ、あっ…！！ひぁぁ、そこ、そこ…っ！
繋心さん、好きですっ！あぁぁぁああっ！！」
「…っ、るる…」
「もっとぉっ！もっ…あっ！」
こんなに好きなのは私だけかもしれない。
それでもいい。
傾いた天秤の、重すぎる愛情をあなたは受け止めてくれるから。
何度目かもわからない頂上に身を任せて、私はゆっくりと意識を手放した。