第37章 【番外編】ゆうべはおたのしみでしたね
「ゆうべはお楽しみでしたね」
幼い頃にテレビ画面でよく見た台詞を丸ごと言われるとは思わなかった。
「お前か…ったく、グルでよーやってくれたわ…」
呆れながら、朝食を口にする澤村に言う。
「え?何が?」
菅原が不思議そうに聞いてくるのを見て、バレてんのはせいぜい一人か二人か、と安心する。
これ以上あの可愛い声を人に聞かせるわけにはいかない。
「なんか、今日のるるさん、少し変じゃない?」
「あ」
濡れて使い物にならなくなった肌着、それは、最後の1枚だった。
辛うじて膝丈のスカートを身に付けているがその下は…。
帰宅したらさぞ怒られるだろう。
ジャージの下に忍ばせた目隠しが、今日も役立ちそうだ。