第4章 お兄様と炊飯器
「るる、着いたぞー」
最近夜寝不足なせいか、車で寝てしまったるるを起こし、鞄を持ってやる。
「ん、はーい」
のんびり返事する彼女がどこか愛おしい。
手を掴むと、待ちきれないかのように玄関に急いで入り、キスをする。
「ん……っ」
「ただいま」
「はい、ただいま」
ぼんやりした瞳で見上げられ、ますます欲しくなってくる。
角度を変え、深く貪るように絡めると、むっと彼女は顔を歪めた。
「繋心さん、汗くしゃー」
「あー、今日みんなでランニングしたんだ…悪かったな」
「楽しそう」
くすくすと笑うと鈴のような声でそう言った。
「繋心さん、今日夕飯お願いしてもいいですか?」
「ああ、いいぞ」
「ありがとうございます。
ちょっとだけ、お昼寝しますね」
眠気が限界だったようだ。
家事も3日ほど任せきりだった。
彼女の背中を見届け、風呂へと向かった。
泥だらけのジャージは確かに臭った。