第36章 【番外編】眠り姫の褒美
翌朝の朝食、俺は彼女の顔を全く見れなかった。
申し訳なさと恥ずかしさと、消えたくなるような罪悪感。
でも彼女はそうじゃなかった。
「おはよう、菅原くん」
「…っ!」
「今日もがんばろ、はい、サービス」
サラダには、皆より3つくらい多くプチトマトが盛られていた。
「ね」
「みんなには、内緒ね」
耳元にそっと囁かれる声が優しい。
だから好きなんだ。
一目惚れから始まって、失恋に終わったけど、そのままでいいって思わせてくれる君。
この先何年後か、また俺は違う人に恋すると思うけれど、それまで。
それまでの間だけ。
まだ、片想いを続けさせてください。