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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第35章 【番外編】ミルキーウェイで逢いましょう


始めての学期テストは、かなりの好成績だった。
おじさまが少しばかりに、とお祝いにワンピースをくれた。
オフホワイトの夏らしいデザインは可愛かった。 
たまにはドレスコードのある店にも行け!と笑いながら言われた。
繋心さんは気まずそうに私に笑った。

そして、夏休みが始まる。
私は学校が休みになり、繋心さんのスケジュールはコーチ業で埋まる。
せめて日曜はあけるって言ってたけど、私に合わせず好きにして欲しいと言った。
たまにのぞきに行くのも楽しみだった。
バイトも繁忙期にさしかかり、少し多目に働いた。
すれ違いが多くて、久々にお互い顔を合わせたのは1週間ぶりだった。
「お疲れ様です」
「おう…」
いつもの無愛想な返事が懐かしくて、横に座ってぴたっとくっつく。
「…なんだよ」
「…えへへ、なんとなく」
「なあ…」
「なんですか?」
繋心さんは手を重ねてゆっくりと聞いた。
「また、合宿来てもらえるか?
人手が足りなくて…」
「行きたい…っ!行きます!」
「悪いな、助かる……。
海もあるから、遊べるし、いいとこだぜ」
申し訳なさそうに言う。
誘われたこと自体が嬉しくて、そんなこと、私にとってはどうでもよかった。
「ずっと、話せなかったから嬉しいです」
「またそういうことを…」
髪をがしがしとかきあげて、私の顔をじっと見つめてくる。
「なんでずっと一緒にいんのに、可愛いんだろな」
顔が熱くなる。
胸に息が詰まるような、そんな感覚。
「か、可愛くは、ないです……」
噛むようなキスをされるだけで、頭がちりちりと痺れていく。
「すき、好きです…!」
「俺も」
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