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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第32章 【ほぼ本編】アップルアンドシナモン


「来ちゃった」
「来ちゃった、じゃねーよ…」
最悪のタイミングでヤツは来た。
近所に住んでるから、覚悟はしていたが、何も今じゃなくても…と頭を抱える。
「何?バイト雇ってんの?」
「ちげーよ、彼女だよ。もうお前には関係ねーだろ」
綺麗に整えられた髪は相変わらずで、昔と変わらない話し方をする。
「はじめまして」
「ふーん、すっごい若くない?エンコー?」
「エンコーじゃねーよ!」
るるが年下に見えるのには少し驚いた。
初めて会った時から、同じ年くらいのつもりで常にいた。
女同士ともあると、そんなこともないらしい。
「趣味変わったね」
「そういうもんだろ」
「繋心さん、その方…」
気まずそうにるるが話しかける。
「ただの同級生だ」
「うわ、ひど、元カノでーす。
こっぴどく振られましたー」
ピースして自己紹介をする…。
コイツのこういう空気の読めないノリが昔から苦手だった。
「もういい、とにかく帰れ!!」
「いーじゃんよー、肉まんおごって」
「おごらねー、帰れ」
「ほんと、変わったよね」
「変わってない。お前と話したくもないだけ」
イライラとしていると、いつもと変わらない様子のるるがお茶を出してくれた。
「繋心さんの昔の話、聞きたいなぁ…」
「絶対やめろよ」
「いいよー!なにがいい?」
何か言われるのを阻止するのにぎゃーぎゃーわめく他なく、喉に通る熱いお茶が少ししみた。
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