第27章 【番外編】いちばんぼし
腰をまた支えられて、一気に自分のイイところにゴツゴツと打たれる。
「いやぁぁぁっ!!だ、だめ、そんな…っ!!
い、いっちゃうぅっ!!!」
もう、いつでも果てることが出来るのに、また動きを止められる。
「やぁ……っ!!」
くたっと、昇りかけた身体が脱力する。
「は、ぁ、なん……」
「ダメなんだろ?」
意地悪く、まるで少年みたいに拗ねて言われる。
「ん、ち、ちが、も、いかせて、くらさいぃ」
散々な焦らしで私はもう限界だった。
「ダメ」
「ぁあ、いじわるっ」
コツっとまた、奥のイイところを擦られる。
「やらぁ、ぁたしがわるいこでしたぁ…ごめんなさいぃぃっ…!」
もう半べそだ。
何時間も焦らされた私の頭も身体も限界だった。
こんな、こんな恥ずかしいの…。
「るるは」
(あ……)
仄かなアルコールのにおい。
お部屋が煙草の煙のにおいで充満しててわからなかったけど、もしかして。
「よ、よってます?」
「っせーよ、るるは、俺がいなくても平気なのかよ」
「へいきなんか、じゃない…っ!」
「この前、菅原とシたんだろ?」
「し、シてない…」
「ウソだ」
妬いて、くれてるんだ…。
事実がわかったところで胸がキュンとする。
「繋心さんだけ…」
「じゃあ、今日は、なんの日だ?」
「んぅ、とつぜん、クイズですかぁ…?」
そのコトでいっぱいの頭を回転させて、なんとか電波時計の日付を見る。
「…あっ!」
「わかったか?」
「ん、やぁっ!ご、ごめんなさ…っ!」
急に動いてまた抉られる。
太腿に水がじんわりと流れた。
(どうしよ、うれしい…)
それだけできゅっと締め付けて果ててしまいそう。
お互いの歯車が噛み合った日。
私が、お店で、たった一つの肉まんを買った日。
まだ夜は寒いけれど、草は夏に向かって色付いていた。
ずっと死ぬためにふらふらしてたのに、あの日、生きたいって思った。
繋心さんを好きになって、死にたくないって、足掻がき始めた時。
だからか、私もよく覚えている。