第22章 救済と酒
店内の熱気のせいか、ひんやりとした風が気持ちいい。
「るる、歩けるか?」
「んー…」
半分寝てるるるに腕を組ませ、なんとか歩かせる。
「ほんとにヤれんのかよこんなんで」
半笑いすると、むっとされる。
「けーしんさん…」
「あ?」
「話してないこと、沢山あります」
「ああ」
「全部聞いても、私を嫌いになりませんか?」
「ああ」
「ぜったい?」
「ああ」
「うそだ」
「嘘じゃねえ。
そのまま言わなくてもいい。
言いたくなかったら墓場まで持ってけ」
「そんなんじゃ、ないんです…」
酔っぱらってんのか、やけに口が軽い。
「お前が人殺しだろうがなんだろうが、手放す気はねえって前も言っただろ」
「…」
「当たりかよ。
親でも殺したのか?」
「…」
「図星?」
戸惑ったようにるるが押し黙る。
大体不都合なことがあるとやるやつだ。
「繋心さん、おうちじゃないところがイイです…」
恥ずかしそうに上目遣いで言われる。
「わーってら…」