第20章 甘い水
いつもの席に置いてやると、先程より落ち着いたるるが見上げてくる。
しなやかな指が俺の腕に触れる。
「おかえり」
ちゅっと額に口を寄せると、びくっと反応する。
「繋心さん……おねが…っ」
「おい……」
家に、まだ見つからねえと適当に電話を入れて切る。
道なりに行くと、そういうホテルがあったな、と昔の記憶を辿って向かった。
「は、はやく、はやくっ」
「せんせー、びびって何もしてないのか」
と笑うとるるはすぐにベッドに倒れた。
その身を投げてから、
「せなか、みられちゃったぁ……」
泣き崩れ、呼吸を荒くするその姿は、いつもより幼く見えた。
ずっと我慢していたんだろう。
「俺だけに見せろ」
「うっううっ…」
泣きながら腕を回してくる少女は、いつもの余裕なんかもない。
まるで子供をあやすように下着の上から背中に触れる。
ざらりとした傷痕が、自分の手に感じる。
「やだ…汚いからぁっ」
「誰より綺麗だ」
意識が朦朧としてるのをわかってると、なんでここまで素直に褒めてやれるんだろうか。
照れなんてモノもなく、いつもより言いたいことをすんなりと言える。
熱い身体に触れていると、こちらもあっという間に余裕がなくなっていく。
「あっ!ああっ…!」
柔らかな髪に手を入れ、後頭部を包むと、ひたすらに唇を貪る。
「ん、んんっ、んぁ…」
おずおずと侵入してくる舌を捕まえると、噛みつくように絡ませる。
「はぁ、はっ…!」
「ほら、ここでイってたらもたねーぞ」
「んん、ぅっ…き、きもちー…っ」
はあはあと喘ぎながらの呼吸が血液を集めていく。
下着が役に立たないくらい溢れているそこに触れながら、胸部の柔らかさを堪能する。
尖った飾りに歯を立てると、甘い声がしてそのまま一度果てる。
もう充分すぎるほど滑るそこに直接自身を挿入れた。