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まったりの向こう側

第2章 Please give me...





(明後日か…)



出張にてエルヴィンが不在になり早数日…

頬杖をつき、小さな鍵を指先でいらいながら、ナナバは壁に掛かったカレンダーを眺めていた。



(案外、退屈だなぁ…)





あの日以来、そう、二人の関係が変化した日以来、遠慮はしないとばかりにエルヴィンは事あるごとにナナバにちょっかいを出していた。


とはいっても、大抵は仕事柄みの呼び出しだったり、食事を一緒にとることが多くなったり、といった実に平和なものではあったが。


しかしながら、そういったちょっとした接触がここ数日ないのだ。
勿論、当の本人であるエルヴィンがいないのだから当然であった。





(補佐が必要なら、連れていってくれればいいのに…)


(そりゃ、まぁ、モブリットやカリンほど得意って訳じゃないけど)


(その割にはしょっちゅう書類の整理だなんだと手伝わせて…)



エルヴィンは出張に際し、一人、事務方を連れ立った。
そして、帰ってくるのが明後日、というわけだ。





(はぁ……。何考えてるか、いまいち分からない…)


(だって、さ………)


(あれ以来…、アレ、してないし…)



「っ!」


みるみると頬が熱くなる。



(あぁ!もう!ないならないで、いいんだってば!)



集まった熱を散らすようにぶんぶんと頭を振れば、勢いよく立ち上がる。





「お風呂!」





ナナバは必要なもの一式を纏めると、引ったくるように小脇に抱え部屋を後にした。




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